WUG岩手昼公演で起きた奇跡。イーハトーブはここにあった

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もしこれが最後のライブだったとしても、
最高の思い出はここにあったって自信を持って言える

 

 

 

 

 

 

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このまちは寒いけれども

 

雪の中を進む眠れない夜行バスを降りると思わず笑ってしまった。あんまりにも寒い所に来てしまったものだと笑わずにはいられなかった。

駅の待合室には見知った顔のワグナーがたくさんいた。

寒い、と言いながら情報交換をする。

コッペパンがおいしい福田パンが朝早くに開くということを知る。

 

福田パンに向けて一人で歩いていく。途中で渡った橋の上の風景が素晴らしかった。

そこに見える山と川。名前も知らなかったけど、ここが地元の人の心の風景のように思えた。写真を思わず撮った。

これが北上川、岩手山だった(リプライで教えてもらった)

 

早速向かうとここにもワグナーの姿がちらほら。大多数のワグナーが福田パンを食べに来ていたようだ。

すぐなくなってしまうと聞いて頼んだエビカツサンドは漫画みたいにエビがたくさん入っていてとてもおいしかった。

 

 

凍った地面は歩きづらく、寒い。

それでもここに精神的な温かさを感じていた。

すれ違う人の姿、ここで交わした会話がなぜかそう思わせた。

 

前を歩くワグナーが転ぶのを3回見た。転ばないように気をつけて歩き、会場にたどり着いた。

 

 

奥野香耶の宣言。東北への想い。

 

比較的チケットが入手しやすいライブだったこともあり、ここで初めてWUGのライブを見る人もいた。
中にはアニサマでWUGとの邂逅を果たし、他人事とは思えないと言ってくれたドリフェス!のファンの方たちも見に来てくれていた。

 

 

まだもう一箇所同じツアータイトルの公演が控えているため具体的なセットリストや詳細な内容を伏せて書くが、

客入りの曲のチョイスに胸を踊らせる人がいた。

ツアータイトルにちなんだ演出では内容のユニークさに歓声が上がった。

ここにしかない特殊な演出が挿入される曲ではついにコールが入るようになった。

WUGが毎公演経験を活かして最高を更新していくように、ワグナーも進化していく姿をWUGに見せることができた。

初めてWUGを見る人にも最高だと言って貰える内容だった。

 

ライブが進行し、ツアー各地で行われる会場限定企画コーナーが披露される。

 

出身地の近いメンバーが内容をプロデュースすることもあるのだが、

岩手公演の会場限定企画は、岩手出身の奥野香耶がプロデュースしていると前々からアナウンスされていた。

 

以前にも奥野香耶のソロイベントが開催され、本人によるプロデュースとなっていた。

ファン心理を徹底的に理解した巧みな演出を用いてのストーリー仕立てのライブを展開。

映画の応援上映のように来場者にストーリー中のセリフを叫ばせる。

その内容はソロイベ昼公演ではファン心理に愛を叫ばせハッピーエンドに!

かと思えば、ソロイベ夜公演ではファンの想いとは真逆の内容に進んでいくストーリーに…。

持ち上げて落とす構成を行ったが、それもファンの心理を完全に理解しているからこそできることであり、ファンへの愛があってのことだ。

 

今回の公演では何が起きるのか。

どんな変化球が飛び出すか、誰も予想ができなかったのだ。

 

舞台にスクリーンが降りてくる。

そこに映されたものは、奥野香耶の独白だった。

 

「雨ニモマケズ」ー宮沢賢治の有名なフレーズを意識して語られる、なりたい自分の詩。

オーディションに向かう時、送り出してくれた岩手山。北上川。開運橋。そして盛岡駅新幹線ホームから東京へ向かうときの空気を忘れられないこと。

同じようなオーディション受験者の女の子がたくさんいたこと。

終電よりも遅くなっての最終オーディション。

その結果は合格。それまでの運命を変えるものだったこと。

WUGになってからの5年間は楽しいこともあったこと。

つらいこともあったこと。

そういうとき、思い出すのはワグナーさんの顔であり、

ライブの夜、みんなの笑顔を思い返す。それが私の一部になっていく、と。

 

活動が終わっても東北への想いは変わらないこと。

 

サウイフモノニ

ワタシハ…

 

ナル。

 

 

奥野香耶が語る東北と故郷への想い。ファンへの愛情。

そして今後への決意を、宮沢賢治「風ニモマケズ」の引用を上書きするかたちで締めくくった。

会場内のいたるところからすすり泣く声が聞こえた。私もその一つだった。

 

イーハトーブはここにあった

 

 

ステージが明るくなると、そこには地元岩手県盛岡市、宮古市、東京を拠点に活動する合唱団、「イーハトーヴシンガーズ」が登場し、奥野香耶との合唱が披露された。

歌われた曲は「イーハトーブの風」。

 

地元の人によって歌われる、故郷への愛に満ちた宮沢賢治の世界。

 

このフレーズが、このまちの人のやさしさにつながっているように感じたことを忘れられない。

 

イーハトーヴの国の人はいのちのはかなさ知ってるから
イーハトーヴの国の人はやさしく微笑むのだろう

 

私はこのまちに降り立ってから「宮沢賢治」という文字を一つも見ることはなかったけれど、

景色とここに流れる空気にずっとその名前を感じていた。

ここを知る人、ここで育った人とその日交わした言葉は岩手への愛情にあふれていた。

その理由を見つけることができるような合唱だった。

 

 

そしてもう一曲、WUGの歌である「言の葉青葉」が合唱団とともに歌われた。

このときのために合唱曲としてアレンジされたもので、他6人のWUGメンバーも参加しての合唱。

 

「歌を歌ってみんなで歩いた

それが希望を結ぶものだった」

 

 

男女混声合唱で歌われる言の葉青葉は、

よく知っているはずなのにどこか新鮮で、人の想いがあふれていた。

 

 

歌の解釈は人によって違うという。人によってだけでなく受け取るタイミングによって変わるのだ、と誰かが話していたのを思い出す。

このときの言の葉青葉は、WUGからワグナーに向けて歌われているものであると思った。

 

 

最後の落ちサビのところで「みんな一緒に歌って」と奥野香耶がワグナーに促す。

 

 

歌うよう求められた歌詞は、

 

がんばってねと
かんたんに
言えないよ

 

WUGが背負っているものと、このフレーズに込められた意味は知っているけれど、その日岩手で歌ったこのフレーズはどんな意味になっただろう。

 

どうにもならないこともこの世界にはたくさんある。

だからかんたんにがんばってなんて言えないけれど。

それでも向ける相手を想ってしぼり出す想いは、本物の形をしているだろうか。

私達はその責任や、つらさを共有できているだろうか。

 

そう考えたとき、私は涙が溢れて声にすることができなかった。

 

WUGメンバーが客席に降りてくるけれど、泣いているワグナーを見てメンバーも涙をこらえているのが見えて、また涙が止まらなくなった。

 

 

合唱団の方も、メンバーも、ワグナーも、このとき同じ気持ちで歌っていたと自然に信じられてしまう瞬間がそこにあった。

あのとき会場全体が一つになっていた。

 

歌い終わると、会場に大きな拍手があふれた。

誰かが立って拍手するのを見て、また誰かが立った。私も立ち上がって拍手をした。

スタンディングオベーション。

頭の中にその言葉を浮かべる間もなかった。

感謝と賛辞だけがそこにあった。

拍手は鳴り止まなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

奥野香耶とWUGと合唱団と、そして私たち。

 

そこにいた全てへの感謝を込めて拍手したあの景色は合唱団の方たちの心も動かすことができていた。

私はあの場にいることができたことを誇りにこの先を生きていきたい。

 

 

2018年12月9日。WUGに出会えて本当に良かったと思わせてくれる日だった。

この日のことを私は絶対忘れない。

 

 

我々をこのまちに連れてきてくれたWUGと、奥野香耶さん、そしてイーハトーヴシンガーズさんに、この記事を捧げます。

一人のワグナーとしての感謝を込めて。

 

 

Twitter:イーハトーヴシンガーズ

 

 

続き書きました。

 

WUG岩手夜公演という折り返し地点。解散を受け入れるために。
そこにいる誰もが寂しさを楽しむ気持ちに変えて、全力で生き抜いた日。

 

 


 

追記。

 

感想や反響いただいております。100RT超えました。

色んな方に読んでいただいて、あの時起きたことを想ってもらえたらとおもいます。

よろしければ記事ツイートや、感想、RTしていただけると嬉しいです。

 

 

 

合唱団の方に届いてました。良かった。

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
赤雪すずみ

ユニーク過ぎてニッチを通り越した視点でコンテンツの浅瀬を飛び回る。
誰かの心に届く文章を書きたいと考えています。
涙腺の弱さはマンボウ並なので自滅泣きが多いのが弱点。
教科書は親の本棚の少女漫画。
WUGはまゆしぃ推し。

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