WUG岩手夜公演という折り返し地点。解散を受け入れるために。

Wake Up, Girls!

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そこにいる誰もが寂しさを楽しむ気持ちに変えて、全力で生き抜いた日。

 

前の記事は奥野香耶さんとイーハトーヴシンガーズに軸を置きましたが、

「奥野香耶とWUG」を軸に「私」の目線で見たものを取り扱います。

この記事はWUG岩手昼公演の記事の続きになっています。

 

WUG岩手昼公演で起きた奇跡。イーハトーブはここにあった
もしこれが最後のライブだったとしても、 最高の思い出はここにあったって自信を持って言える このまちは寒いけれども 雪の中を進む眠れない夜行バスを降りると思わず笑ってしまった。あんまりにも寒い所に来てしまったものだと笑わずにはいられなかった。...

 

 

 

 

セットリストと演出のネタバレは全力でやっていますので、

横須賀公演のみ参加の人は12/23あたりにでも読んでいただけると。

 

 

もうちょっと先の未来であの日のことを忘れてしまった人へ。

あの日の記憶に戻れるように、この記事を書きます。

 

 

回想:昼公演

 

昼公演が終わった。

 

あの奇跡のような瞬間がゆっくりと終わっていった。

暗転してスクリーンに映し出されるわぐらぶの映像。

 

初見の人以外はきっとみんな見れてなかった。

泣いている人があんなにいっぱいになっていたから。

それぞれ、あの瞬間を刻み込んでいるのだと思った。

 

明るくなって、次の曲が始まる。

次の曲なんだっけ、なんてことを考える間もなかった。

からっぽになるくらい私の思考は涙と一緒に流れ出てしまっていた。

7 Girls Warのイントロが流れても感情が置き去りになっていた。

 

「いくぞ!」「がんばっぺ!」「Wake Up,Girls!」

今まで聞いた中で一番の不意打ちだった。

泣いてなんていられなくなる、ここから前へ進まなければならない。

高ぶった感情のかたまり。その向かうレールが切り替わる音が鳴る瞬間だった。

 

その気持ちを腕いっぱいに抱えたまま「タチアガレ!」のイントロが始まる。

最初の「Wake Up,Girls!」のコールを入れることは、自分でも出来ていたのかどうか覚えていない。

涙でぐしゃぐしゃになっていた私。

 

連番相手が同じ状態であればその時どうなっていたのかをだれも説明できない。

あの時はあの瞬間の中にしかなかった。あとから取り出す事ができない記憶だった。

 

 

Wake Up!

目覚めさせてくれた

もう泣きたくはない

君がいるから

 

いつだって聞いた誰かの心に突き刺さるのがタチアガレ!なのだ。

この曲の時間軸は、いつでもないいつかで、いつでもの中にあるのかもしれない。

 

岩手に記憶を落としてきた結果、内容を殆ど覚えていないMC。

 

WUGのメンバー全員が、みんなして泣いてるワグナーを見て「あ”〜〜〜〜〜」と言っていた記憶と、

 

みゆ。降りた時に見たワグナーの表情が、みんな泣いていたこと。岩手で公演できたこと。

ななみ、記憶欠落。ごめんなさい。

みなみ、記憶欠落。…ごめんなさい。

まゆしぃは、はしゃがないと泣いちゃうと言っていたこと。

あいちゃん…欠落。ほんとごめん…

かやたんは最初緊張していたこと。お母さんと喧嘩したこと。

よっぴーは、皆さんに拍手!と言ってたような…。

 

 

そのあとの雫の冠。

聞くたびに、色んな疑問や答えを探してしまう。

友人のワグナーがこの曲を初めて聞いたときは光のしずくが落ちてくる、そんな気がしたと言っていた。

人によって見え方が違うものだ、と。

でも、なんでそういう歌詞をWUGに書いたのだろうかという疑問は残ったままだった。

 

人によって受け取り方が違うものはある意味一方的な答えを受け取ってしまうということである。

それは見たいように見るということで。

アイドルとファンの関係性にもそういう面があると想っている。

 

この曲はWUGという本物で等身大のアイドルに向けられた存在としてとてもふさわしい曲になる。

そんなことを考えて聞いていた。

 

 

Beyond the Bottomには奥野香耶の決意と意思が全力で込められているようだった。

この地で聞くBtBは凄まじく、本物だった。人間性がステージから溢れてくるような歌い方。

 

アニメのWUGの延長線から自分の道を歩き出した今のWUGという存在。

その存在証明はここにあった。

 

 

アンコールはいつもより全力で。

私達に出来ることはWUGへの感謝を乗せて、その名前を叫ぶことだけだった。

いつもより声が大きくて熱がこもっていたのはきっと勘違いじゃない。

 

セブンティーン・クライシス。

泣きの空気が熱さに変わるスイッチが入る。

上のフロアにみにゃみとよっぴーが走っていったけど、一瞬の出来事だったと思う。

気づかない人は多かった、そんなことをMCでも言ってたような気がする。

 

ハートラインは、落ちサビのよっぴーとまゆしぃのソロパートの名前を呼ぶコールがものすごく印象に残っている。

「まーゆしぃ!まーゆしぃ!」と、ワグナーの声に合わせてよっぴーもやってたのが楽しかった。

 

MCが入る。内容はもう何も思い出せない。

今日ここに来たことを絶対に記憶に残したいと強く思ったこと、

ここに来たことはなんの間違いもなかったと確信したことだけが脳に焼き付いている。

 

最後の少女交響曲。

吉岡茉祐からのお願いによって会場は緑一色になった。

奥野香耶のカラーである緑を指定したのだけど、

会場はWUGグリーンの薄い緑ではなく、全て奥野香耶の緑になっていた。

 

 

今までのライブでもソロ曲を歌う時は緑に染まりがちだけど、他の色もあった。

その日の少女交響曲は、混じりっけない緑だった。

 

この後のことを一切考えない、全力の少女交響曲を、WUGとワグナーは作り上げた。

 

 

 

 

 

 

ここは寒いまちだが世界で一番熱い場所だった。すべてへの感謝。

 

あっという間の魔法のような時間だった。

イーハトーヴはたしかにそこにあり、幻想というテーマを完全にやり尽くした公演だった。

これが最後の公演だとしても、もう後悔がないくらいには燃え尽きていた。

 

 

 

みんなが退場しはじめて、隣の奥野香耶推しのワグナーに緑の銀テープ取れましたか、と声をかけた。

 

緑は、奥野香耶のメンバーカラー。

銀テープはメンバーカラーの7色。

それぞれのメンバーからのコメントとサインが印刷されているもので、色以外は中身は変わらない。

それでも緑を持っていてほしかった。

 

その方は無事取れていたんだけど、思わずこう続けてしまう。

「あなたの推しは、本当に素敵な人です」

その言葉に何度も、頷いてくれたのがすごく印象に残っている。

 

ロビーに出て、友人のかや推しワグナーを見つけた。お互い何も言わずに熱い抱擁を交わす。

「すべてに感謝しかない」そう言う彼の目には涙が滲んでいた。

私も同じ気持ちだった。

 

 

 

イーハトーブから外に出て休憩。このまちの空気は冷たい。

 

とりあえず休憩に向かうことにした。

会場近くのカフェを探して会場を発つ。

けれど、とくにあてはないまま足は進んでいた。

たまたま通りかかったのはカフェ…ぽいような、きれいな雰囲気のお店。

とりあえず中に入って話を聞いてみることとする。

 

そこはクラブに図書室をつくったような、ターンテーブルの置かれた書店だった。

入った途端に椅子がないことに気付く。お茶が飲めるところがこのへんにあるか聞くと、わざわざそのままコートも羽織らずに外に出て道を教えてくれた。

自分の店の利益にちっともならないのに、それでも道を教えてくれた。

なんだかその親切が暖かくて、ライブ後の薄着で感じる冷たい空気もいとおしかった。

 

こちらのお店。洋書店 BOOK NERD。

あの時のお礼になるかわかりませんがリンクを。

スピ的Q&A
これってスピリチュアル的にどういう意味なの?普段の生活で起こるさまざまな出来事。それにはどのような意味やメッセージが込められているのか?詳しくまとめています!

 

 

紹介されたのは羅針盤という喫茶店。

小声で会話をするような、そんな静かな喫茶店。コーヒーはものすごくこだわりが感じられた。

香りも味も、寡黙で腕利きの職人のおじさん、みたいな人物が見えるようなものだった。

コーヒーはあまり飲まないけれど、心が満たされるような味だ。

 

 

ここは何かがはじまりそうな場所だった。

まるで宮沢賢治の物語につながりそうで、いまにもテーブルからひょっこりと服を着た猫が現れそうだった。

そこにいない誰かに静かに見守られてるようなこの喫茶店の雰囲気にこのまちを感じていた。

 

 

わりとこのお店はライブの感想を語る客がくるには静かすぎる。

ひそひそと、夜公演、どんなのになるんだろうね。

そんな話をみんなでしていた。

「きっと昼と夜で変えてくるだろう」「上げて落とすかも」「読めんなー」

 

かやたんのことだから、どうなるかまったく読めなかった。

 

 

 

諦めないワグナーがいた。生き物のようなライブ。

 

昼と夜で変わった曲は、結論から言うといつものように数曲だった。

WUGのライブは、曲が変わるのは少し。

それでも昼と夜で進化する…という生き物のようなライブだ。

同じ曲でも同じパフォーマンスにはならない。それぞれがドラマを持った瞬間だ。

WUGを昼夜公演両方見ることがとんでもなく面白い理由だ。

 

昼公演にはなかったワグナーのコールが夜公演になったら突然増えたりするのだ。

 

実際、岩手夜公演でoutlander rhapsodyの間奏にWake Up, Girls!というコールが突然入るようになった。

8つの頭を持つドラゴンに立ち向かう、7人の勇者はWUGだ。

力を貸してほしいと、Wake Up Girls!のコールを求められる。

一回だけではなく、実はその後も声を出すようにWUGに煽られるのだが、最初の1回以外はみんなコールを入れなかった。入れてこなかった。

 

それでも諦めずにWake Upパワーを送りたいワグナーがいた。

あの無音にWUGを放っておきたくなかったのだと思う。

WUGが用意してくれたその期待にワグナーとして答えたかったのか、まゆしぃが「声を聞かせて!」と叫んだからかもしれない。

一人のワグナーが「Wake Up Girls!」と叫び始めた。

キャパシティ2000人の会場の中ではものすごく小さい声だった。それでも隣のワグナーは同じように叫んだ。

そういう自然発生的なものが連鎖していって生まれた現象だった。

コールが生まれる瞬間はそんなものなのかもしれない。

 

 

ここが、わたしたちの折り返し地点だった

 

 

岩手夜公演にはいつもと違う、それ以上の何かがあったのだ。

 

景色は昼公演と全く違うものだったように思う。

昼公演が始まるまでは、今ここにある瞬間を全力で楽しんでいた。

楽しいしかなかった。

あの合唱から空気が変わった、そう感じた。

泣きすぎて感情を昼公演に置いてきたのかもしれない。

 

夜公演はそこにいる誰もが寂しさをどこかに抱えながら、感情を燃やしていた。

今日の命を灰になるまで燃やし尽くすように生きていた。

 

 

 

 

企画パートの内容は、大きく変わっていた。

 

 

昼は奥野香耶のこれまでが語られた。

 

 

夜。企画パートが始まって流れたのは、

メンバー一人一人からワグナーへ向けたメッセージだった。

 

 

内容は、WUGの解散を迎える事を知ったワグナーへのエールだった。

6.15。

WUGの解散が告げられた日。

あの日宙ぶらりんになった行き場のない悲しみが、埋められるような気がした。

 

ここがあの日の終着駅になった。

 

 

わたしたちはどうやってWUGに出会っただろう。

わたしたちに足りない何かを、WUGに見つけた人もいる。

WUGが世界だった。そんな人もいるだろう。

 

わたしはWUGに情熱と愛と行動することが何かを変えることを教えてもらった。

だからこうして記事を書いている。

WUGは私の原点であり原動力だ。

なんにもない私にたくさんのものをくれた。

 

 

 

 

 

 

でも、そのWUGがいなくなってしまったら、わたしはどうなるんだろう。

解散はつらいけど、きっと最高のライブを見せてくれるだろう。

 

きっと送り出してくれるような。これまでを肯定するようなライブ。

そこは信頼している。

でも、その後のわたしは何をしているんだろう。

それが想像できなくて怖かった。

 

 

昼公演で、奥野香耶がWUGの解散後の事を語った。

ライブの場では初めてのことだった。

 

 

FINAL TOUR part1 “Start it Up,” ではあの子たちは絶対に「最後」「解散」という言葉を使わなかった。

使わないようにしていたのだと思う。寂しくなってしまうから。

 

 

夜公演に入ってからWUGメンバーのMCも、「もうここに7人で立つのはこれが最後」という寂しさが滲んでいた。

 

ワグナー達の持つその時への時計。

 

12月に入った瞬間、その針の進む音がうるさくなったよう感じたのを覚えている。

 

これまでは

「解散まで、あとX日もある」だったのが、

「解散まで、もうX日しかない」に変わった。

焦りにも似た何か。

12月が始まった瞬間にそれは生まれていた。

12月最初のライブが岩手公演だった。

 

 

奥野香耶は全部分かっていたはず。

自分がその事を強く意識させてしまうかもしれないことをわかった上で解散後の話をしたのだと思う。

私達。ワグナーと、WUG。それぞれの残された時間を大切なものにするために。

 

 

 

すでに始まってしまったカウントダウン。

ここが、わたしたちの折り返し地点だった。

ゆっくりと優しく見せてくれた。

その時を自然に受け入れられるように。

 

 

 

夢をつかむ者たちよ、君だけの花を咲かせよう。

 

イーハトーヴシンガーズと、WUG7人で歌われた曲は、

「旅立ちの時~asian dream song~」。

 

知っている人は思い浮かべて。

知らない人は歌詞をどうか見ていただきたい。

 

旅立ちの時 asian dream song 歌詞
「旅立ちの時〜Asian Dream Song〜」は卒業式・離任式によく歌われます。 力強い歌詞と荘厳なメロデ

 

 

 

 

「WUGにとっても、ワグナーさんにとっても4月は節目を迎えることになる。
ワグナーさんにエールを送りたくてこの曲を選びました。」

と、奥野香耶は言っていた。

 

 

昔話を一つだけ書かせていただきたい。

かつて何者にもなれないわたしは、ずっと誰かになりたいと思っていた。

わたしは普通の人が持っている感覚を持ち合わせていないことが、すごく辛かった。

ふつうの人間になれない私は、地球にいる人間ではない何かだった。

 

なにかのきっかけに、地球ではないどこかに咲く一輪の花の絵を描いた。

わたしは人間になろうとすることをやめた。わたしはその日からわたしという何かになった。

 

 

その日のことを思い出して、涙がとまらなかった。

わたしはいまこの記事を描いているときも涙を流している。

これからわたしは、わたしの生き方を見つけなければならない。

あの時夢見た花。

それを咲かせることが、WUGへの恩返しになると思うから。

 

 

 

みんなで歌った言の葉青葉。

奥野香耶はどうしてもこのフレーズを歌って欲しかったと言った。

 

がんばってねと

かんたんに

言えないよ

 

たくさんの理由を知っているからこそ、「頑張って」をかんたんに言えない。

それでも送りたいエールや想いはあるのだ。

私はそれをWUGから受け取ったと思うし、そういうものをWUGに送り続けたい。

3月を迎えたその後も。

 

 

 

私達は3月のその先をちゃんと生きていけるだろうか。

不安も抱えてその時を迎えるだろうけど、

それでも、生きていかなければならないのだ。

それぞれの道を歩んで行く、WUGのメンバーと同じように。

ワグナーもそれぞれの道を歩んでいく。

私達はそれぞれが求める幸せに向かわなければならない。

 

私達ワグナーが幸せじゃなかったら、WUGちゃんの夢見が悪くなってしまう。

ワグナーが思っているよりもずっと、ワグナーはWUGちゃんに愛されている。

WUGがワグナーの笑顔を願ってくれるのなら、幸せに、笑顔でその先を生きていこう。

これまで私達の笑顔が彼女たちの笑顔に変わってきたことは、

WUGが解散するその日の向こう側にも続いていくと信じている。

 

 

昼公演で起きたスタンディングオベーションは、そこにいる全てへの感謝を込めて。

 

夜公演でもスタンディングオベーションが起きたが、

WUGと、イーハトーヴシンガーズへの感謝が主成分だったように思う。

 

わたしたちはここから、旅立ちの時へ向かって歩き出すのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

part2の終わり。8人目の勇者へ。

 

 

RPG演出。

マップが日本地図です。

 

大阪から関東に向かい、シラキリュウと交戦をするのですが、

 

これはpart2のツアーの開催地ですね。

関東ではなく、横須賀。

 

最後に、九州の下の方に向かいます。これはpart3の熊本でしょう。

 

8人の勇者は黒く塗りつぶされた世界を救って、そしてpart3が始まります。

一緒にWake Upパワー、送りましょうね。7人じゃ勝てないものがある。

 

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