ポケモンカードの知育玩具の面と発達障害の子への影響、注意点

カードゲーム

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赤雪すずみです。ここのところ発達障害、かんしゃく持ちの子とよく遊ぶ機会があるのですがポケモンカードゲームを導入してみました。とても楽しく、私のほうがハマってしまいカードショップデビューも先日果たしました。その中で見えてきた初心者でも強くなれるポケモンカードの上手な買い方や、子供にポケモンカードゲームを買い与える場合の注意点、プレイ中の注意点やポケモンカードゲームによって得られるものをまとめてみました。

ポケモンカードとは?ということについてはこちらの記事で詳しく述べています。

ポケモンカードゲームは知育玩具として活かせる

このセクションではポケモンカードゲームをお子様と遊ぶ親御さんへの説明をしてみます。

ポケモンカードゲームはデジタルゲームとは違い、実際のカードを使って遊ぶものです。使用するカードは収集要素があり様々なパッケージを購入することで増やすことができます。このカードを持ち寄り対戦するのがメインの遊びです。

万人に平等のルールを用いて対戦をするので、しっかりルールやゲーム性を理解していれば大人と子供が同じ土俵で遊ぶことができます。コミュニケーションツールとして見ることもできますね。

ルールの中には持っているカードをいつ、どう使うかという戦略性があります。相手の次の動きを予想することで有利に戦うことができるので将棋のような先手を読む能力、目先のことではなく大きく広い目線で物事を観察する能力を養うことにもつながるでしょう。

次の”ポケモンカードを遊ぶと起きる教育上のメリット”セクションで詳しく書いています。全体的にポケモンカードゲームを通じて得られるものはたくさんあると思うのでぜひ検討していただければ、と思います。

しかし、デメリットもないわけではありません。子供との間に何のルールを設けることなくポケモンカードゲームを買い与えるのはあまりおすすめしません。完全放任主義のご家庭にはすすめることはないでしょう。

ポケモンカードを遊ぶと起きる教育上のデメリット、の項目でそちらについて詳しく説明しますが、メリットの一つにそういった「ルールを守ることを学べる」というものを挙げることもできます。

ポケモンカードを遊ぶと起きる教育上のメリット

子供がポケモンカードゲームから学べること・遊ぶメリット、というのを思いつく限り挙げてみました。

コミュニケーションツールとしての面

――ポケモンというキャラクターは広く浸透しており会話の種になります
――交渉や意思を伝える訓練になります
――ポケモンカードを通じて交流が生まれることもあります

思いついた「やりたいこと」を実現する能力の訓練

――デッキを自分で作る中で何が必要なのか考えます

趣味としてのめりこめる

――大人も楽しめる深さを持っています

計算や日本語の勉強になる

――何回攻撃して倒せるかの計算は足し算引き算掛け算を使います
――カタカナの勉強に。漢字もルビつきです

段取りや順序を考える

――カードを使う順序が戦局を左右します

なぜ?どうして?を考える能力が養われる

――失敗はすぐに結果になるのでトライアンドエラーがしやすいです

金銭管理能力が身につく

――カードを購入するのにお小遣い制は必須。相場観も身につくかも

こじつけかもしれませんが、少し考えただけでこれだけ出てきました。お子さんと一緒に遊ばれているパパママが赤緑世代であったり、おじいちゃんおばあちゃんがポケモンGOプレイヤーであるということが珍しくない時代になってきています。ルールを守って遊べば老若男女、平等に試合を行うことができるのがポケモンカードゲームです。

ここからは私個人の意見です。ポケモンカードゲームを個人的に対人要素があるアナログゲームとして捉えているのですが、イタリアンレストランの「サイゼリヤ」では専用に開発したボードゲームを使用して店舗運営担当者の研修を行っているそうです。

ボードゲームの内容は店舗を運営するというもので、まさに店舗運営に必要な「俯瞰の視点」を学べるものです。このサイゼリヤのボードゲームから学べることは4gamerさんの記事さんに詳しく書かれているのでそちらを読んでいただければと思いますが、店舗運営担当者として必要なリスク評価を行うためのバランス感覚を、問題に対して考え行動した結果どうなるのか、という事を失敗しながら学ぶことができる。店を潰してしまったあと別の店舗に行ってやり直し、なんてリセットは実際の人生ではなかなかできませんよね。時間という貴重なリソースも多く消費されてしまいます。ボードゲームである以上「次の回」が用意できます。何度も失敗しながら大事なことを学べるという機会が得られるとしたら物凄く良い経験になりますよね。

話をポケモンカードゲームに戻しましょう。ポケモンカードゲームは1on1で遊ぶゲームで、勝者も敗者も一人ずつです。(敗北=失敗という捉え方はあまり良くはないと思うのですけども)何かが足りなかったから敗北するのです。何が足りなかったのか考えたり、試合を振り返って見直したり、その場で失敗に気付くという事が大人と子供遊んでいる最中にたくさんありました。

勝っても負けても色んなところから学ぶことができます。ポケモンカードを遊んでいる中で細かい失敗はいくらでもしてしまうでしょう。そういうところから「学ぶ」能力を開発することにつながるのがポケモンカードゲームだと思います。

別のトレーディングカードゲームやボードゲームでもいいのでは?という意見もありそうですが、遊んでいる人数が多いというのは結構大事なところで、たくさんの人と遊べる、遊ぶきっかけがあるというのはポケモンカードゲームを選ぶ理由にはなるはずです。

ポケモンカードを遊ぶと起きる教育上のデメリット

ポケモンカードゲームを遊ぶデメリットもあげてみましょう。

お金がかかる

――上手に購入しないと結構お金はかかりがちです。売買も行うと楽

勝ち負けにこだわると楽しめないことも

――結果ではなく過程を大事にする訓練になります。勝ち負けに執着しない経験

長い時間を遊びに消費してしまう可能性もある

――勉強が疎かになる可能性はあります。ルールをしっかり作りましょう

一人だと遊びにくい

――学校の知り合いや家族以外と遊ぶきっかけにできます

デメリットもあるにはあるのですが、上手に付き合えばそれほど気になりません。

家族内や身内で遊ぶぶんには好きに遊んだりローカルルールで遊べるので、友達と遊ぶのか、知らない人と遊ぶのか、どのように遊ぶのかをある程度決めてから手を出すのが良いです。予算が全然変わってくるはず。

もし、遊ぶ人がデッキを持っていないならデッキごと借りて遊ぶようにしたほうがいいかもしれません。混ざると子供の記憶力だと時々怪しいことになります。トラブルになったり喧嘩になるもとなので、事前にデッキの内容を記録したリストを作っておくのも手です。

公式サイトにデッキリスト作成機能があるのでそちらを使うか、手書きのメモの形で用意します。並べてスマホで写真を撮ってもいいでしょう。

カードに名前は書けないのでデッキシールドやスリーブ(柄のついたカード保護用の袋)に入れて判別したりします。これは700円程度で購入できます。

ここからは場合ごとに分けて、予算や気にしたほうがいいポイントについて述べていきます。ポケモンカードを低い予算で強くなるための情報や、おすすめの商品はこちらの記事で詳しく書いています。

ポケモンカードを家族や身内で遊ぶ場合

最低予算は構築デッキ(500円~1600円)×2つ(もしくは複数)
=1000~3200円程度からスタート可能

家族や身内で遊ぶなら、「構築デッキ」という始めからデッキの形になっているものが2つあればとりあえず遊ぶことができます。いくつかあったほうが遊びの幅は広がります。拡張パックはあったほうが楽しいですが構築デッキ同士で試合をするとちょうどいいバランスになりやすいです。家族みんなでルールを覚えて遊ぶと楽しいかもしれませんよ。

持っていないカードを紙に印刷して使う「プロキシ」という代用法もあるのですが身内でやる時だけにしておいたほうが無難です。知らない方とやるときは互いに合意を得てからこれを使います。最初から話題になっていないときなどは何それ?となる可能性もあるので注意。そしてこれによって予算は安く済みますが販売元にとっては損になる可能性がありますのでほどほどに。

スターターセット、構築デッキは駿河屋で安く買えます。ポケモンカードゲーム|中古・新品通販の駿河屋

ポケモンカードを友達と遊ぶ場合

最低予算は構築デッキ(500円~1600円)×2つ(もしくは複数)に加えて、拡張パックを買うぶん
=1000~3200円程度より少しかかります。

友達と遊ぶのなら、ポケモンカードゲームは基本的に持っているカードで戦う対戦ゲームであるということを知っておくべきです。どうしてもカード資産の差が生まれてくるので、特定の相手に勝ちたいという場合は拡張パックを買い強化することになると思います。拡張パックについて詳しくは後述しますが150円から500円で売られており中身がランダムになっています。カードショップや通販で一枚ずつ購入ができるのでこれらを購入してデッキを強化していきます。

デッキに必須なカードは簡単に手に入るセットから入手できます。それ以外は拡張パックを開けて入手したりどこかで購入するのが主な入手手段となっています。これらをお小遣いの範囲で行うことでお金の使い方を勉強することにはなるかもしれません。

子供同士のカード交換はトラブルの温床です。それぞれ価値が異なるのでお互い損しないようにしないとトラブルの元になります。どうしてもメルカリというフリマアプリの存在が大きく、金銭的価値に換算が容易なので気をつけてください。メルカリあたりで検索すれば価値はわかります。強力で需要の高いカードは一枚150円~3000円、希少かつ人気の高いものは3000円~数万円することもあります。子供同士で勝手にカード交換はさせるべきではない、と力説したいところ。

カジュアルに出てきたものだけで遊べる場合なら拡張パックを買いすぎないことで予算は抑えられるでしょう。どうしても勝ちたい!負けたくない!という場合についての説明は、「次の強いデッキを作る必要がある場合」の項目に続きます。

強いデッキを作って遊ぶ場合

最低予算は構築デッキ(500円~1600円)×2つ(もしくは複数)に加えて、拡張パックを買うのと特定のカードを買う費用
=そこそこかかるが節約も可

家庭、身内で遊ぶぶんにはいいのですが、ローカルルールがない所で知らない人と遊んだり、大会に出る時は自分たちが持っていない強力なカードの入ったデッキを使ってくる可能性がかなり高いです。デッキの完成度はそれなりに強力なカードを採用しているものとそうでないものとでは違ってくるため、同じポケモンを使うデッキでもスピード勝負になるとカードの差で負けてしまうことも。

お互い構築デッキで遊ぼう!とか、子供同士でローカルルールを作って強いカードを禁止したりすることに自然になったら悪くないかもしれません。しかしそういうもの一切関係なくうちの子が最強なんじゃい!という場合、そして本人やご家族がガチになっちゃった場合は強いデッキを用意することになります。

強いデッキに必要な強いカードを揃える場合は公式に販売されているカードセットを上手に購入したり、カードショップでの売買(お店によってもちろん価格が違います)、拡張パックを上手に買う……といったことをしないとほとんどのカードをランダム排出の拡張パックなどで揃えることになり、相当なお金がかかると思うので注意してください。上手な買い物のやり方を学ぶきっかけになる可能性もあります。

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ポケモンカードを通じて知らない方と遊ぶメリット

ポケモンカードゲームを通じて知らない人と遊ぶ、ということは交友関係も広がりますし同世代のお友達も増えるかもしれません。学校より塾、学童などの場で生まれる関係のほうが深い関係になる、という事もあるようです。能動的に自分で関係を構築するという点が大きいのでしょうね。

リモートバトル、というボイスチャットアプリや会議用アプリを使い、Webカメラ+パソコンかスマートフォンのカメラを利用して自分のポケモンカードが置かれた場を写し、離れた相手と遊ぶという方法が最近はよく遊ばれています。コロナ禍においても知らない人と遊べること、直接会わないので安心して遊べるという点が好まれています。私も遊んでみましたが、思っていた以上に楽しく快適に遊ぶことができました。Webカメラが高価だという場合はスマートフォンのカメラを利用してやってみてください。最近のスマートフォンのカメラは高性能なのでそこそこきれいに手元を取り込むことができますよ。

このセクションではお子さんと遊ぶ場合、という視点でポケモンカードについて書いてきましたが、次のセクションでは「発達障害をお持ちのお子さんの場合」について向き合ってみましょう。

発達障害の子の療育ツールとしてのポケモンカードゲーム

筆者は、発達障害(自閉症。アスペルガー症候群、ADHDどちらも症状あり)の子と遊ぶボランティアに近いものを行っているのですが、彼らは「興味のあること」以外になかなか手を出しづらい特性を持っているのでなかなか共通の話題や遊ぶネタにずっと困っていました。

よく遊ぶ子(自閉症強め、視覚優位、言語性IQ高め、かんしゃく持ち)「ダイキくん」と書くこととします。ダイキくんがポケモンに興味を持っていることもありポケモンカードゲームを導入したところ、多くのメリットや、彼らが遊びやすくなるポイントが見えてきました。

発達障害の子と接していると精神年齢が実年齢より若く感じられることが多いです。この記事に対象年齢があるとすれば、その精神年齢において6歳から14,15歳あたりまでが対象として参考にしていただけるかと思います。

まずは発達障害の子がポケモンカードゲームを遊ぶことで得られるものについて書いてみます。

発達障害の子がポケモンカードゲームを遊ぶメリット

ダイキくんとしばらくポケモンカードゲームをやってみて、最初は負けるとかんしゃくを毎回起こしていたダイキくんがかんしゃくを起こす頻度がだんだん減っていった事に気が付きました。この時ポケモンカードゲームを遊ぶことが発達障害の子が苦手なものと向き合うことになるのかも……と思い、「最近ポケモンカードゲームやってて色々出来るようになったことある?」と聞いてみました。

自分の癖やかんしゃくと向き合う事

――かんしゃくを毎回起こしていて自分もいやなので、起こさないように頑張りたいと思うようになったとのこと。さらに試合中起きるさまざまな出来事に対して、かんしゃくを起こさないように「これはしょうがないこと」と割り切りができるようになったようです。

ダイキくん「次の相手の番でこれがでてきてもしょうがない……という気持ちをねじ込んでる」

試合の間の小さいかんしゃくが減った

――ダイキくんの好きなフシギバナVMAXは体力が高く、エネルギーカードをたくさんつけることで大きなダメージを与えられる大器晩成型の育てがいがあるポケモンです。試合展開によっては倒されてしまうのですが、それが即敗北につながるというわけではないということを学んだようです。衝動的な感情に振り回されにくくなり、一歩立ち止まれるようになりました。

ダイキくん「いっぱいつけたしいっぱいダメージも出るから、どうしてもフシギバナはやられたくない。やられちゃったらイライラしちゃってたけど、今はやられちゃったら次はどのポケモンを出そう?みたいな感じになった」

見通しを付ける力がつく、先が読めるようになる

――「次でやられちゃう」という感覚や「もう一回攻撃すれば倒せる」というのが見えるのでわかりやすいようです。ダメージカウンターの作りやエネルギーがいっぱいついている、ということから視覚が比較的分かりやすい。そういう感覚が先を予測する力につながるでしょう。

計画力を養うきっかけになる

――カードを使う順序やタイミングが試合を有利にするためには重要。デッキに入っているカードの枚数を意識しながら遊べるとワーキングメモリにも良い影響がありそうです。ダイキくんの手札に入っていた相手の育てている途中のポケモンを直接攻撃できる強力なカード「ボスの指令」をダイキくんはずっと使わずに持っていて、一番いいタイミングで繰り出して勝ちにつなげるという試合が増えてきました。

ダイキくん「これやりたい!を一旦引っ込めて、チャンスまで待てるようになった」

こういった成長が本人の主観においても、客観的にも見られました。ダイキくんは「ポケモンカードだけだと思う、ポケモンカード以外では役に立たないよ!」と言っていますが日常生活においても少しずつ良い変化はあるようです。本人目線では「これポケモンカードと同じだ!」と気付く瞬間にそれまでポケモンカードゲームで養ったものが経験や感覚として活きてくると思います。

発達障害の子とポケモンカードゲームをする際に注意すべきこと

家庭外の子と遊ぶのは落ち着いてからが推奨

当たり前のようなことですが、もし家庭外の定型発達者の子と試合をしたい場合は遊んでいる間にかんしゃくを起こさないようになってからにしてください。カード破くとか投げるとかはお互いショッキングな記憶になってしまいますので……。

実は発達障害の子にポケモンカードゲームのハードルは高め説

かんしゃくはその子によって様々な形、様々な理由から起きますが、「見通しと予期せぬ状況にパニックを起こして混乱してしまう」という事がポケモンカードゲームにおいてはよく起きやすいように思います。

そもそもポケモンカードゲームは

  • ・重要な局面でのプレイミスは一手で負けにつながることもときどきだがある
  • ・相手の育てたポケモンを突然ひっぱりだして倒すのが戦術として流行
  • ・相手のつけたエネルギーを外すという効果のカードや相手に干渉する手段が多い
  • ・手札から一気に状況をひっくり返せるカードの組み合わせがある

発達障害の子がボードゲームで苦手な「凡ミスからのアウト」「いきなり出てくる干渉&攻撃手段」「いきなり出てくるドンデン返し」といった要素がそこそこ含まれているのです。

これらの要素を目の当たりにしたとき、「見通しと予期せぬ状況にパニックを起こして混乱してしまう」かんしゃくがよく起きていました。ポケモンカードゲームはかんしゃく持ちの子には少しハードルが高いものだと思います。

安心してかんしゃくを起こした後もケアが出来る環境で遊ぶべきでしょう。子供、療育者のどちらかが余裕がなかったり精神的に消耗しているときは遊ぶのを控えてください。

苦手な計画性のいる局面や大局観を求められる場面も多いです。それがうまく行ったときは「すごい!」「やるね!」とできるだけ褒めてあげてください。自信にもつながりますし、失敗しても何が悪かったのか振り返ることができればいい経験になるはずです。発達障害を持った子が社会において遭遇する「ピンチ」の予行演習として楽しみながら遊ぶことができればすごくいいですよね。

勝ちにこだわる子はちゃんと勝たせる

発達障害の子と遊ぶ時、勝ちは嬉しいけど負けたら人生終わり、みたいな落ち込み方をしているのをよく見かけます。「自分が勝つか負けるかが大事で相手が勝っても負けてもどうでもいい」という感じで、自分の中で納得行く負けにたどり着けない子は勝ちにどうしてもこだわってしまいます。そういう子はしっかりと勝たせてあげてください。負けてばかりだと自尊心が傷ついてしまうので……。

対戦回数を増やしていくことで負けというものにしっかりと向き合えるのではないか、と思います。最初のうちは少なくとも2回に1回は勝てるような形にしたほうがいいと思います。対戦相手である療育者のデッキのバランスには気をつけてください。降参が苦手なことも多いので、こちらが降参することで真似できるようになる・・・かも。

ダイキくん「世界優勝はしたい。最強でなければならないので負けるわけにはいかないんや」

…という子を相手にするとき、重要なテクニックをお伝えしておきます。できればここは本人に見つからないようこっそり読んでいただきたいのですが、対戦中、ポケモンカードゲームは「相手の手札を見る」という効果のカード、自分が「相手に見せて」手札に加える効果のカードを使わない限り相手の手札を見ることはほとんどありません。

つまりどんなカードを持っているか、というのはある程度隠すことができます。さらにワーキングメモリの関係で彼らは「お前、ずっとあのカード持ってるな…」というのは気付きにくいのです。あなたがピンチを打開できるカードを持っていても使いさえしなければ相手に持っていることはバレにくいです。

あまり露骨にやりすぎると手を抜かれた!となんとなく気付かれて自尊心を傷つけてしまうのでやりすぎは禁物ですが、これを上手にやればツイてないな~(ツイてるけど)負けちゃったな~~(出せば勝てちゃうけども……)、という事ができます。連敗していたり機嫌をどうしても取りたい!というときにどうぞ。舐めプレイではなく接待だと言っていきたい。

置いてきぼりはイヤ

ダイキくんは相手が一方的にカードを引けたりポケモンを有利に展開できているのをずっと見ているのがすごく苦手です。そういう一気にポケモンを強化できるカードは「ズル」く見えてしまうようです。自分の中でズルだと認定したカードはなるべく使いたがりません。ダイキくんの場合はズルいから使いたくない、という形ですが発達障害の特性によるこだわりによってこれはイヤ、やりたくない、が起きてしまっています。

ポケモンカードゲームにおいてそういうカードは、対戦において殆どの場合誰が使っても強力なカードであり、それを使わないということは「ズルいカード」を使ってくる相手ゲームスピードについていけなくなることを意味します。

彼らが強力なカードを使うのが苦手な場合はその子の歩みに合わせて強力なカードを使わないようにするというのがいいかもしれません。慣れてきたら徐々に解禁していけばよいでしょう。

そういった注意対象のカードをいくつかご紹介します。

発達障害の子と遊ぶとき注意したいカード一覧

発達障害の子が極めて苦手な、意識の外から計算外で無防備なところをやられる「いきなり出てくる干渉&攻撃手段」系カード、そして「いきなり出てくるドンデン返し」といった要素が含まれているカードを紹介します。私達の環境では使用禁止になったか、許諾なしに使用しないルールになっています。

対策必須の手も足も出ないハメ系カード

相手のカードに興味がなかったり知識がないので、そういうカードがあるんだよ~~と言っても、実際に見せても、対策するという意識を持ちにくいことがほとんどのようです。強いカードが好きだから、ポケモンV、ポケモンVMAXを多く入れてしまうこともしばしば。それらを持っていること、並べることが誇りであったりもするみたいです。ポケモンV、VMAX以外のカード=弱い、攻撃力が低い、重要でないと捉えてしまうことも。

デッキバランスが関わる要素への対策ができないことが多く、Vのポケモンしかいない場合だと苦戦する、といったカードは非常にストレスなようです。

ダイキくん「対策必須なカードやとくせいの存在を知ってても、ポケモンVを出したいのにチルタリスのことをなんで考える必要があるのかわからない。というかVをいっぱい入れたい。」

状態異常で何もさせずにハメ倒す事ができるカードも同じです。せっかく育てたものが活躍できない、というのがダイキくんはかなり苦手でした。ねむり、こんらんという特殊状態の効果でハマるとしんどいようです。コインを投げて表が出たら回復するのですが、そういった見通しのつかなさは非常につらそうでした。

チルタリスはVスタートデッキ無色イーブイに、キュウコンはVスタートデッキ炎ガオガエンに収録。

ベンチへの攻撃をするカード

一生懸命作ったお城を横から突然壊されてしまうイメージに近いとのこと。とにかくパニックになりやすかった印象です。運が絡むものは運が悪いことを理解できれば多少は楽になるみたい。
直接ベンチを攻撃できるカードは、育てている途中のポケモンを強襲したり倒してしまうことができます。ベンチのポケモンを引きずり出せるトレーナーズのほうがさらにショッキングかもしれません。

手札や場に干渉するカード

せっかく調整した手札を山札に戻されてしまうカードやエネルギーをトラッシュするという効果のもの。一生懸命手札をどうするか、どのようなゲームプランで進めるかを必死に彼らは考えています。そこで手札が新しいもの4枚になってしまうと、パニックに陥りがちです。また、育てる=エネルギーをつけるという認識のようで、せっかく育てた子のエネルギーが外されてしまうのは育てているという事実を破壊されるのと同じみたいです。

この2枚はとても便利で強力なため良く使われるカードです。スターターセットなどにも入っているので特に注意。

ちょっとした計算を狂わせるカード

必死にこれとあれが何点だから…と計算しているところに手札からやってくる計算をずらすカードたち。一生懸命計算しているのにそれをぶち壊しにするという意味では非常にストレスだったようで何度もかんしゃくを起こしてしまうシーンもありました。

エネルギー加速系カード

エネルギー加速系のわざやとくせいを使われるとストレス。とくせいはわざ以外にも使えるのが特に「ずるい」とのこと。自分がやるのは大丈夫なようです。自分がセッティングして自分のプラン、自分のタイミングで使えるのが重要だそう。見通しがついて心の準備ができるのが大きいところですね。

ちなみに、ポケモンカードにおいてエネルギー加速はとても強力です。エネルギー加速をしてこないなら療育者はむやみにエネルギー加速をしないほうがいいでしょう。計算を狂わせるカードでもあり苦手要素が詰まっています。

陥りがちなデッキ構成のハマり

ここに書いてあることを言ってたら見直すよう促してください。

エネルギーがぜんぜんない!引けない!わざが出せない!

20:20:20の比率をとりあえず意識してもらう。

わざに必要なエネルギーの数が多いポケモンばかりデッキに入れていないかな?上手にやりくりできるようエネルギーが少なくても活躍できるポケモンを入れるか、エネルギーをいっぱいつけられるポケモンを入れましょう。

引いても使えないカードばかりでやることがない!

「カードを引く」というカードが足りていない可能性があります。5枚では足りません。8枚とかあったら安定するかもしれません。「目的のカードを確実に引く」というカードもあるので、そういうカードを上手に入れてください。博士の研究がおすすめです。

…以上長々と書きましたが、気になるところやここが知りたい!というポイントがありましたら記事にコメントいただけると嬉しいです。