あまりのコスパにブルっちまったよ。
ゲオはワイヤレスイヤホンに力を入れているというかバグっている
低価格帯のコストパフォーマンスに優れた機種からアクティブノイズキャンセリング対応の機種まで、様々なニーズに応えられるラインナップのゲオのワイヤレスイヤホン。
一番高い機種でも5980円までに抑えられているのが最大の特徴と言えるかも。
『ゲオのイヤホンシリーズ』税抜980円から (geo-online.co.jp)
ゲオのイヤホンは、海外のメーカーのOEM…要するにゲオブランドを付けて売っているけど中身はいろんなメーカーの別の機種だったりすることがほとんどです。
一から商品開発したり新しく生産ラインを確保するわけではないですから、価格を抑えて販売することができます。そこらへんで売ってるポテトチップスとかのプライベートブランドとだいたい同じメリットがあると思われます。
日本全国で多く営業しているゲオ、ゲオモバイルの店頭に並べて販売できるという自社の販路を活かした戦略は見事としか言いようがないです。ワイヤレスイヤホンはゲームでもスマホでも使ってもらえるものですからね。
ここで重要になるのはユーザー目線。みんな安くいいものが欲しい!そうでしょう?
しばらく前に話題になったゲオのワイヤレスイヤホン、SWE-HT01には「SONYのWF-1000XM3のプロセッサが使われている」ということすらありました。WF-1000XM3は発売後3年経った現在14000円、初値は28000円近かった機種です。
そのソニーさんちのプロセッサを使用した中国の「QCY」というメーカーのHT01という機種がゲオブランドになって売られていたというのが実態でした。HT01は6000円~10000円で販売されていました。
そんな機種がゲオブランドになると4928円に。今は発売から時間が経っているのでもう少し下がって4378円です。
これは明らかにバグです。しかしこれはゲオではよくあること。
ゲオが2022年7月14日に3278円(税抜価格2980円)で発売したワイヤレスイヤホン「GRFD-TWSDT06」この機種もゲオ・バグが起きているのでは???と思い、オーディオ素人なりに色々調べて実際に買ってみました。
GRFD-TWSDT06の正体を外観から推定する
最近のゲオはQCYの機種を販売していることが多い、というのは知っていましたが、一部のメディアサイトでは発売のプレスリリース時点でQCY製と言われています。とりあえずQCYで検索したところ日本法人であるMIRISEのサイトが出てきました。製品一覧を見るとGRFD-TWSDT06は「QCY T17」(以降T17)と良く似ていることがわかりました。
完全ワイヤレスイヤホン”GRFD-TWS DT06”(全4色)を発売 – 商品情報 ❘ GEOオリジナルブランド (geo-online.co.jp)
GRFD-TWSDT06のスペックを表にして比較!
QCY T17はaptXに対応していません。
ケースのデザインが異なるものの、外観がほとんど一緒でaptXに対応した上位版の「QCY T17S」(以降T17S)という機種が存在することがわかっています。ゲオのGRFD-TWSDT06とこれらの機種のスペックを公表されている内容で比較してみましょう。
T17とT17Sの違いから見てみましょう。
- マイクが2つから4つ(デュアルマイクからクアッドマイク)に変更
- aptXに対応
- 充電ケースがかっこよく高級感あるデザインに
GRFD-TWSDT06とT17Sとの違いは以下。
- ケースがT17っぽい外観に
- マイクが4つから2つ(クアッドマイクからデュアルマイク)のT17相当にグレードダウン
- 保証期間が追加されている
- 防水等級がIPX5からIPX4にダウン
これだけ見ていくと厳密に同じとは言えないということがわかりますが、中身はT17S基準のような気がしてきます。
アプリから見えてきたGRFD-TWSDT06の正体
外観はやはりどう見てもQCYロゴが消えたT17ですね。
ケースはT17Sのかっこいいクリアな感じではないのもあってT17なのかな?という雰囲気。実はT17をレビューしている方の記事を見る限り、T17Sより高音域の解像度が高いと評価しています。なのでどっちでもまあええか!の気持ちでQCYアプリを使えるかのチェック。AndroidでもiPhoneでもアプリがあるのはありがたいですね。QCYのものなら認識するはず!
アプリインストール後、無理かな~…と思いながら、ちょっと根性が必要なQCYのアプリの会員登録を済ませ、GRFD-TWSDT06をアプリに認識させてみます。対応機種のリストがあるものの自動認識機能があったのでそちらを使ってみたところ…。
なんと、アプリ上ではT17Sとして認識されました!
つまりGRFD-TWSDT06はほぼT17Sと言っていいのではないでしょうか。イコライザーもちゃんと使えます。専用アプリがあるというのはすごくイケてますね。タッチしたときの挙動も変更できてかなりいい感じです!
しかし仕様表を見る限りだと、T17Sと比較するとマイクの数が減っていたり、ケースの高級感が減っていたり、防水等級が下がっているという違いがあります。
おそらくこのGRFD-TWSDT06は、日本国内向けにT17の上位機種であるT17SをコストダウンしながらもaptXに対応させた商品です。さらに日本市場では当たり前の保証をつけるために防水等級を下げることでユーザーの利用するシチュエーションが変わり、壊れやすい状況を減らすことができる。用途が変われば事実上壊れにくくなりますからね。
私個人の考えですが日本ではコストパフォーマンスが高い商品でないととにかく売れない、というのが現状としてあります。もしこの機種がaptX非対応だったら訴求力は確かに少なかったかも…。しっかりしたaptX対応イヤホンはこの値段(3278円)クラスではなかなか見つけられませんでした。
QCY T17Sは定価50ドルの高評価機種!
QCY公式サイトではT17は30.99USD、T17Sは49.99USDで販売されています。どちらのモデルも記事を書いている時点では売り切れていますね。
コストダウンしながら円安の中3278円でT17Sベースの商品を店頭で売るというのは「それ、ちゃんと黒字になってます???」と心配になるところではありますが、ビジネスなのでしっかり黒字になっているのでしょう。ゲオさん、流石っす。
音の善し悪しについてですが、オーディオ沼の人間ではないのでうまく表現はできませんが文字にするとこうなります。
- 全体的に解像度高い。
- バランスが非常に高い
- 価格が高いぞ~~って音ではないけれど安っぽい音では絶対にない
- 高音域:綺麗に後ろで鳴ってる楽器が聞こえる。臨場感高い
- 低音域:気持ちよくも力強くも鳴ってくれる
気になる方はaudio-sound-premium.comさんのT17Sのレビュー記事を参考にしてください。読んでてだいたいこれであってると感じました。
完全ワイヤレスイヤホン QCY T17S レビュー – audio-sound@premium (audio-sound-premium.com)
ここまでGRFD-TWSDT06の正体を探ってきたのですが、そもそもQCYっていうメーカーを知らない方は多いはず。私も聞いたことがなかった。ついでに調べました。
QCYブランドを展開しているのは東莞市ヘレエレクトロニクスという中国の株式会社。2009年に設立して以来、Bluetoothアクセサリー(ヘッドセット、スピーカー、イヤホン)を作ってきた会社です。過去3年で3000万のBTヘッドフォンを出荷。OBM(オリジナルブランディングと製造)、ODM(オリジナルデザインと製造)、OEMが強い会社で技術力、信頼性は間違いなさそうです。
XiaomiやOPPO、サムスン、モトローラとも関係が深いようです。SoundPEATSやTaoTronics、Ankerといった会社とも取引があるとのこと。そういった会社の製品を裏で支えて来たのがこの東莞市ヘレエレクトロニクスという会社なのかもしれません。
よくわからない中国の会社!ということはまったくない、と言えますね。
最近中国の会社の技術力がもう日本国内の会社を追い越してしまっているところは感じていて、スケールメリット(いっぱい作ったりいっぱい売れるといっぱい良いことがある)の面でもこれは敵いませんね…。中国製品嫌いの方にはそろそろもう手を出してみたら?と言いたいです。
GRFD-TWSDT06は買いか?
最終的な結論としては、買いです。
T17Sはaliexpessで3000円前後でセールされていることもあるのですが、中国発送で受け取りまで時間がかかります。保証もほとんどありません。海外からの発送の公式は現在売り切れで49.99USD、つまり6200円近くします。Amazon.comにも売ってはいます。でも海外発送、送料込で43USDくらい。
つまり3278円で買えるGRFD-TWSDT06は…価格がバグってますね!!!!しかもゲオに行けばどこでも売ってる!!!
私の中では時代変わったな…というくらいの商品でした。超おすすめです。前使ってた2019年に購入したワイヤレスイヤホンはしまいました。それくらいの感動はあった。限定販売という文字が見えてはいたのであまり数はないかもしれない。この記事がバズったら買えなくなるかもしれません。バイナウ!
結論:よっぽど高級なの使ってたりこだわりがないなら買い。
もっと安いイヤホンだとこれがおすすめ。