2020年7月に第一子、長男が産まれました。
コロナ対策で産院によって対応が異なるご時世ですが、出産に立ち会うこともできました。
もうすぐ30歳になるおっさんの視点から育児をしていて気づいたことをエッセイとして書き残してみます。
簡単な自己紹介
トキノドロップの他の記事を読まれている方は、なんとなく大木佳章という人物を知っている方もいると思いますが、改めて自己紹介をさせていただきます。
経歴を見ていただけるととわかるとおり、それなりに「教育」について学び、「教育」に携わってきた人間であると自負しています。
赤ちゃんから学んだこと
不安は経験でカバーできるということ
産まれた赤ちゃんが声を上げて泣き出す。その姿を見たとき、妻と一緒に私は喜びのあまり泣きました。
そして、産婦人科の方にきれいにしてもらった、産まれたばかりの赤ちゃんに触れたとき、「怖いな」と私は思いました。もし手を滑らせたらどうしよう、私なんかに本当にこの子を育てられるのだろうか。そんな恐怖を覚えたのです。
人間の赤ちゃんは本当にか弱い存在です。腕や足、食事のときに口を動かすことはできますが、基本的には身動きはとれません。つまり、保護する大人がいなければすぐに死んでしまう。
赤ちゃんが産まれてすぐのころはミルクを作っていても、「熱すぎて火傷しないかな」と不安に思っていました。妻と赤ちゃんが退院してからの沐浴については、必ず妻としっかりと準備、打ち合わせをしてから細心の注意を払って行っていました。
しかし、そろそろ産まれて2ヶ月になるのですが、今はそんな不安はなくなりました。
経験を重ねるうち、ミルクの温度の調整方法やお風呂に入れるときのコツがわかってきたからです。
それだけではなく、うちの赤ちゃんはお風呂に入ると本当に嬉しそうにしているので、こちらも嬉しい気分になります。
これからパパ、ママになる人は色々と不安に思うことがあると思うのですが、だまされたと思って「不安は経験でカバーできる」ということを信じてほしいです。
慣れはじめは危険ということ
一方で、慣れはじめたころが一番危険だということも学びました。
沐浴にも慣れてきたとき、私はヒヤリハットを経験しました。いつもは右手で頭を支え、左手で赤ちゃんの身体を支えながら洗っているのですが、汗が頬を伝うかゆさのあまり何も考えずに左手を動かしてしまいました。そのタイミングで赤ちゃんが足をピンっと伸ばし、頭の位置が大きく変わったため、赤ちゃんの頭を右手から落としそうになりました。自分の手が大きくて良かったと思った瞬間でもありました。
足をいつもよりバタバタさせているな、いつもとちょっと様子が違って落ち着きがないな、そういった慣れていないころの観察をしっかりとしていれば防げたと今でも反省しています。
ただ、私が大いに反省していたときも、赤ちゃんは嬉しそうに沐浴を楽しんでいましたが。
しゃっくりに驚く純粋さ
赤ちゃんを見ていて、自分自身のしゃっくりに驚く姿を見ました。
起きているときは手や足をバタバタさせているのですが、しゃっくりをすると手や足を止め、不思議そうな顔をするのです。
そのしぐさが可愛いなあと思うのと同時に、これからこの子は色々なものを見て驚いたり、びっくりしたりするのだろうなあと微笑ましくなりました。
(ちなみにしゃっくりが気に入らないのか、途中からギャン泣きし始めましたが……)
今後赤ちゃんが大きくなっていくなかで、彼がはじめて見たものについて一緒に驚いてあげたいなと思うのです。それだけではなく、赤ちゃんを抜きにしても、様々なものに触れ、感動していこうと思いました。
こちらは我が家で大活躍している誰が使っても泣き止むラトルです。誰が使っても、というのがミソ。
これも本に注意を引く必要はありますが、非常に強力で助かっています。泣き止み性能が高い。
大人の変化
子どもが頑張る映像を見ると泣きそうになる
かつて3年間教えた生徒が落ちる可能性のある志望校になんとか合格できたときも私は泣きませんでした。頑張りが実ったとき、私は満面の笑みを浮かべてニヤニヤし続けるタイプなのです。
しかし、子どもが産まれてからというもの、テレビや動画サイトなどで子どもが頑張る映像を見るとウルウルして本当に泣きそうになってしまいます。
きっと自分に子どもができたことで子供を見守り育てる立場になったので、より強く共感できるようになったのだと思います。「自分の子どももいつかきっとこんな風に頑張って何かに取り組んでいく」ということが想像しやすくなったのかもしれません。
志望校合格の知らせを聞いて涙を流す親御さんの気持ちを、今ようやくしっかりと理解することができました。
子どもの将来ばかりを考えてしまうこと
眠る赤ちゃんや抱っこして腕の中にいる赤ちゃんを見ていると、将来どんな大人になるのだろうかと想像をしてしまいます。どんなスポーツに興味を持つのかな、どの教科が得意かな、私みたいにゲームばっかりやっていたら困るなあなどなど。そんなことを思ってニヤニヤしたり、妻にも「どんな子になるのかな?」と話したりします。
あるとき、妻から「まず自分の将来を心配したら?」とぴしゃりと言われました。
本当にその通りです。はじめに書いたとおり、私はまだ30歳少し手前。50%の人が100歳まで生きると言われている日本社会においては30歳なんてまだまだひよっこで、人生の折り返し地点に立ってもいないのでしょう。
子どものことを思うあまり、子どもに自分自身の思い、そして自分の人生を押し付けてしまう危険性もあると私は反省しました。そもそも子どもが産まれたからといって、私の人生が終わったわけではありません。むしろ、子どもと共に成長していこうという姿勢が重要なのだと気づきました。
同じ道は歩けないけれど、君が歩き出せるまでサポートさせてほしい。君を支えながら学ばせてほしい。今の私はそう思ってます。
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