東京ハースストーン たまり場 会場オーナーから見た炉端の集い

イベント

 

”先日、通算開催数200回を迎えた「東京ハースストーンたまり場」現在の会場である下北沢ARKBOXオーナー本人が語る「炉端の集い」とは。”

 

週末には多くの人が訪れ、古着屋巡りや食べ歩きを楽しむ下北沢一番街。
その街の喧騒を見下ろすかのように、とあるビルの三階に存在する隠れ家的カフェバーがある。

それが、私、進藤キーチの経営するカフェ&ライブバー「ARKBOX」だ。

昼は平日、祝日を問わずランチが楽しめ、夜は楽しくお酒を飲める。
最近は電源を求めてパソコン持参でコーヒーを楽しみながらゆったりと仕事する方や、名物「焼きカレードリア」を求めて来店してくれる方なども多い。

そして、ライブバーと名乗っていることからもわかるように不定期だがアコースティックライブを開催したり、レンタルスペースとしてパーティ会場や上映会の会場などのイベントを行うこともできる。

その中でも特に異質、というか一風変わったイベントがある。

それが、「東京ハースストーン たまり場」だ。

毎週木曜の夜、19時を過ぎると一人、また一人とハースストーンプレイヤーが店を訪れる。
彼らは好き勝手に料理や飲み物を注文し、ハースストーンやカードゲーム、ボードゲーム、ミニトーナメントなどを楽しんで、帰っていくのだ。

その日に何人来るのかわからない。多くて20人ほどだが時にはのべ70人来たことすらある。とても予想がつかない。

なんとも勝手な奴らだ。

しかし私は、週に一度訪れるその、イベントと呼ぶほどかしこまった物でもなく、通常営業と呼ぶのも少し違うその日が、そしてそこに集う人々がとても大好きなのだ。

 

スポンサーリンク

ハースストーンとは?

”まずはハースストーンというものがなんなのか説明しなければならない。
もうすでにハースストーンというものがどういった物なのかをご存知の皆さんは、もちろんこの項目を飛ばしてもらって構わない。”

 

ハースストーンとは、老舗のゲーム会社”Blizzard Entertainment”社から2014年3月11日にリリースされて以来、現在も遊ばれ続けているDCG(デジタルカードゲーム)だ。2015年10月21日に日本語対応、Windows、macといったパソコン及びiOS、Androidで基本無料で配信中。利用しているデバイスに関係なく遊ぶ事ができる。

 

プレイ人口は今や世界中で7000万人を超えるこのゲームは、日本語で遊べるようになる以前から国内でプレイをしていた愛好家も多い。

スマートフォンアプリで遊べるカードゲーム、というと皆さんは何を思い浮かべるだろうか?

もしかしたら、日本国内ではシャドウバースの方が先に思い浮かぶかもしれない。

しかしシャドウバースがリリースされたのはハースストーンが日本語対応をしてから約半年後の2016年6月17日であり、先日2200万ダウンロードを記録した。

ハースストーンは2018年11月にプレイヤー数が1億人を突破。シャドウバースは2200万ダウンロード。
プレイヤー数、ダウンロード数という数字の意味の違いもあるが、世界規模の話になると知名度はハースストーンの方が断然上だ。

そう。シャドウバースを含む日本発祥のDCGはハースストーンの後輩に当たる。
ゲームをやらない方も、eスポーツの競技としてどこかの媒体で見たことがあるかもしれない。

 

結局、どんなゲームなの?

”好きなヒーローを操り、自分だけのデッキを組んで対戦しよう!”

昔から空想やゲームが好きで、オリジナルの世界を頭に描いてはノートにびっしりと設定を書いたり、厚紙をカットして自作のカードを作ったりしていた私がカードゲームにハマったのは中学生の頃だった。

『マジック・ザ・ギャザリング』

ひょんなことで出会ったこのカードゲームのカード群のイラストの美しさと、少し難解なルールに、私が心を奪われるのに、そう時間は掛からなかった。

そして現在。

デュエル・マスターズや遊戯王など、紙のカードゲーム、いわゆるTCG(トレーディングカードゲーム)を数種類経験した私は、ハースストーンに出会った。

出会ったきっかけは正直なんだったか覚えてはいない。

だが、どことなくマジック・ザ・ギャザリングに雰囲気の似たそのアプリは、いつの間にか私の心を魅了していた。

 

 

ハースストーンのシステムはマジック・ザ・ギャザリングや一般的なTCGのシステムにとても似ている。

試合前に使用するクラスを選びデッキを組んでおく。試合は基本的には1対1の形式。
プレイヤーは徐々に増えていく”マナ”と呼ばれる力を消費することで、召喚して戦闘を行う”ミニオン”や手札から使用する”呪文”を使うことができる。交互に手番を進め、先に相手のライフを0にしたら勝ちだ―――。

ゲームで使用できるカードは「○○のクラスで×回試合に勝利する」といったデイリークエストで得られるゴールドを使ったり、課金によってショップで購入できるカードパックを開くことで入手できる。
また、余ったカードを分解して得られる”魔素”を消費すれば持っていないカードでも必ず手に入れることができる。そうして新しいカードを手に入れ、試行錯誤して自分好みのデッキを作り上げ、また試合に臨む。

他のTCGとやることはあまり変わらないが、ランダム要素など、デジタルでしかできない特徴ももちろんある。

遊戯王や紙のトレーディングカードゲームとの最大の違いは、

「デッキ(本物のカード)を持ち歩かなくてもいい」

ということだと私は思う。
スマートフォンやタブレットさえ持っていればいつでもどこでも誰かと対戦ができる。
紙のカードゲームにはない利点だ。

もちろん、「本物のカード」がないが故のデメリットもある。

個人的にデッキを組むときは、カードを机に並べながら、効果の繋がりを考えたり、枚数を考えたりする方がまとまったものができる。

それにコレクションという意味では、「実際のカードがない」というのは少し寂しいことだろう。

 

炉端の集いとは

ハースストーンは公式の賞金制大会や、公式非公式を問わずオンライン大会が行われている。オンライン大会が行えるのはデジタルのゲームだからこそとも言える。

特筆すべきはハースストーンでは《炉端の集い》という公式が認めるオフラインイベントが活発に開催されていること。

《炉端の集い》とはプレイヤーが主に開催する、公民館やコーヒーショップ、大学の教室などに集まってハースストーンを遊ぶイベントだ(もちろん、開催する場合はその場所に許可、確認を取ろう)。トーナメントやフリー対戦、主催の企画といった様々な方法でハースストーンを楽しむことができる《炉端の集い》は、基本的に誰でも開催が可能となっている。そのため全国各地で《炉端の集い》は開かれ、それぞれ違った性格や個性を持っているのだ。

インターネットに接続されたデジタルカードゲームで対面の相手と対戦するというのはなんとも不思議な感覚だ。
しかしそこから生まれる会話や縁というのは、ゲーム内においてだけではなく現実において、いや、人生においてとても重要なことだろう。

 

炉端は、「魂交差点」だ。

私の好きな数あるバンドの中に「ザ・コブラツイスターズ」という沖縄出身のバンドがある。

2008年に惜しくも解散してしまったのだが、正統派ロックの中に沖縄のリズムや音色が混じり合い、その魂の叫びのような歌詞に思わず目頭が熱くなるような、そんなバンドだ。

そんな彼らが2000年の11月にリリースした曲、それが『魂交差点』だ。

ボーカルの川畑アキラ氏の力強い歌声と、メッセージ性の強いその歌詞は、今でも口ずさむことができる。興味のある方はぜひ、一度聞いてみて欲しい。

ー話を戻そう。

《炉端の集い》には様々な人間が集まる。

ゲームのオフラインイベント、というとみんな黙々とゲームをしている暗い雰囲気がイメージされがちかもしれない。

しかし、この「東京ハースストーンたまり場」にはそんな雰囲気がまるでない。

もちろん、物静かなプレイヤーもいる。

だが、ここに集まる人間は本当に多種多様だ。

いかにもゲームを極めていそうな人。
およそゲームをやっているとは思えないお洒落な人。
ゲームに興味のなさそうなヤンチャそうな人。
大人しいかと思いきや、めちゃくちゃ場を盛り上げる人。
時には外国から馳せ参じる人もいる。

なので一見さんは必ず「ハースストーンの方ですか?」と尋ねないと本当にわからないのだ(もちろん、一目でこの人はたまり場に参加しに来たな、とわかる人もいる)。

普通のサラリーマンがレジェンド常連だったり、
ふらっと来た人が闘技場のランカーだったり、
ただの兄ちゃんが公式の実況解説してたり、

本当に見ていて飽きない。

そして、全員に共通しているのが

「この場を楽しもうとしている」

ということだ。

正直、レジェンドだろうが闘技場ランカーだろうがどこかの大会で優勝していようが、実況解説していようが、この時間、この場所には関係ないのだ(もちろん、教えて欲しい!って人は彼らの技術を教えてもらったりはする)。

そこにいて、みんなで楽しむ。

それがこの「東京ハースストーンたまり場」の唯一の正義だ。

その楽しもうという気持ち、
自分はこれで「みんなと」楽しむんだ!

その思いが、魂が、緩く、熱く、時には激しくぶつかり合う場所。

みんなの好き勝手が、みんなの”好き”勝手になる。

それが《炉端の集い》なのだ。

 

角を出せヤリを出せ勇気を出せ

ー”角を出せヤリを出せ勇気を出せ”

『魂交差点』の歌詞の一節だ。

情報過多の現在、情報を見ただけでやった気になってしまう、できないと思ってしまう、わかった気になる、行った気になる。そんなことが多い。

”魂を飛ばしたいんだ”

今やどこにいようとも、Twitterをはじめとしたツールを利用すればいつでもどこにでも「魂」を飛ばすことができる。

オンラインでの対戦も、極端に言えば”それ”だ。

しかし、そこにある魂にも”濃さ”がある。
どうしたって肉体を持った人間と相対する事以上に魂の交換ができる物はない。

姿を見る、表情を見る、声を聞く、話を聞く、同じ空間で感情の交換をする。
それは難しいことではない。

「まだ自分はたまり場に行く資格がない」
「まだレジェンド到達してないし…」
「まだチュートリアル終えてないし…」

いろんな思いがあると思う。

だが、実際に会場として場所を提供している私が見た「東京ハースストーンたまり場」、《炉端の集い》というものは

「今からダウンロードします!!教えてください!!」

でも、

「ハースストーンやらないけどみんなとゲームしたいです!!」

でも

まっっっっっっったく構わない。
みんな好き勝手に楽しんでいる。

「行きたい!楽しみたい!」

それだけで充分すぎるほど楽しめる場所なのだ。

料理はかけねなしに美味しい。
みんなと飲むお酒も美味しい。
居心地も最高級だ。

さあ、歩き出せ。胸を張れ。

外に出ればそこは魂交差点。

魂は簡単に交わることができる。

角を出せ。ヤリを出せ。

勇気を出せ。

《炉端の集い》は、純粋に楽しみたいと思うとっても”好き”勝手な貴方を、いつでも待っている。

 

東京ハースストーンたまり場の最新情報、開催に関する情報はHogei氏のTwitterをチェック。

Hogei氏のTwitter https://twitter.com/Hogei1256

東京ハースストーンたまり場のHP http://hszoo.webcrow.jp/tournament/Weekly.htm

ArkBox のTwitter https://twitter.com/Ark_Box

 

文:進藤キーチ

 

 

 

この記事へのコメント

タイトルとURLをコピーしました