気になったらこの記事を読まずに購入して、プレイしてください記事第2弾です。第1弾の『レイジングループ』の記事を見て買った人はグノーシアもとりあえず買ってください。
※本記事にネタバレなどはありません。シナリオについては公式HPのあらすじ程度の内容にしか触れません。
『グノーシア』とは
PSVitaでしか遊べなかった名作が2020年4月30日より、Nintendo Switchでも遊べるようになりました。普段「PSVitaはいいぞ…………!」と散々記事にしている私ですがNintendo Switch版が発売されたことは本当に嬉しかった。
『グノーシア』のような名作が、PSVitaでしか遊べない! なんてことはあってはならない。より多くの人にプレイしてほしいゲームだ! PSVita版をプレイしてそう思ったのです。「興味があるけどPSVitaもってないしなあ」なんていう人にPSVitaを送りつける必要は無くなったのです! (PSVitaを2台ほど貸し出しているので回収しなければ……)
前置きが長くなりました。
『グノーシア』はテーブルゲーム「人狼」をNPCと行いながら、主人公の視点で大きな謎を解くアドベンチャーゲームです。特徴は「人狼ゲームを中心に、ループを繰り返して謎を解く」ということ。
第1弾で紹介した『レイジングループ』と似たような紹介ですが、『グノーシア』はテーブルゲーム「人狼」をNPCと実際に行うことがメインとなっています。
『レイジングループ』がシナリオの中に人狼要素があるゲームだとするならば、『グノーシア』は人狼シミュレーターにシナリオが付属している、と説明しても良いかもしれません。ただ、その付属しているシナリオが素晴らしいのです。
ちなみに公式サイトによると、「SF人狼系シミュレーションアドベンチャー」というジャンルになるそうです。その通りなのですがちょっとわかりにくいですね。「SF」「人狼系シミュレーション」「アドベンチャー」のどれかが好みであればNintendo SwitchかPSVitaのダウンロードページに行くことをオススメします。
Nintendo Switch
PSVita
具体的にどんな風にゲームが進んでいくのかについては、公式から引用します。
ゲームの流れ
『グノーシア』はSF世界を舞台にしたいわゆる人狼系ゲームを一人でも遊べるようにしたものです。1プレイは15分程度で、周回するたびに、主人公及び各キャラクターの配役や展開が変化します。
誰がグノーシアなのかを話し合う議論パートでは、主人公を含めた各登場人物が疑ったりかばったり、スキルを使って敵をあぶり出したりした後、それぞれの判断で最も疑わしい人物に投票します。そして最も得票数の高い人物がコールドスリープされ、排除されることになります。
議論が終わるとわずかなフリータイム(移動パート)に入ります。各登場人物に会いに行って好感度を上げたり、誰が嘘つきか教えてもらったりしましょう。また自室では経験値を使ってパラメータを伸ばすRPG要素もあります。条件を満たせば議論を有利に進められる強力なスキルを手に入れることもできます。
移動パートが終わると、グノーシアの襲撃により乗員が一人排除されます。このように投票と襲撃を繰り返し、乗員側かグノーシア側かどちらが生き残っているかでその周回の勝敗が決まり、経験値を得ます。
簡単にまとめると「オフライン人狼」「配役はランダム」「NPCと議論」「昼パートで議論、夜パートで登場人物とコミュニケーション」「1ゲームごとに経験値があり、主人公の能力をあげられる」といったところでしょうか。
物語
グノーシアを全てコールドスリープさせても、グノーシアが宇宙船を制圧しても、問題が収束してしまえば、主人公は再び最初の日へと何らかの力によりループさせられることになります。なぜループを繰り返すのか? どうすればループから抜け出せるのか?
『グノーシア』の舞台であるこの宇宙船には、主人公の他に14人の個性的な人物達が乗り込んでいます。繰り返す世界の中でのちょっとした偶然から、彼らの抱える物語を窺い知ることができるイベントが起こることがあります。協力あるいは敵対しながら、彼ら登場人物達のことを深く知っていくことが、このループの謎を解く鍵となることでしょう。
つまり「人狼=グノーシア」「生き延びてもループするので、ループの謎を解く」「各登場人物を知ることで物語が進む」という感じです。
人狼シミュレーターであり、ADVゲームである
人狼シミュレーターとしての『グノーシア』
対NPCゲームとしても非常に優秀で、14人のキャラクターごとに考え方や振る舞いのクセがしっかりと存在します。正しいことをいうが、悪目立ちしてすぐに吊されるキャラや、こちらが疑いをかけたり投票をしたりすると執拗に攻撃してくるキャラがいたりと、しっかりとNPCごとに個性があります。
人狼を全く知らない人でも楽しめるよう、はじめは少人数で配役が少ない状態からスタートし、徐々にキャラクターや配役が増えていきます。導入が非常に丁寧で要素が全て解禁する頃には人狼についてもわかっている状態になっていると思います。
また、ゲーム内の「遊び方」も非常によくまとまっており、困ったらこれを見ればだいたいの問題は解決します。個人的に「遊び方」の「Q&Aその2」の「もう……どうしたらいいのか……」「記憶を消して最初からやり直したい」みたいな遊び心のある項目が好きです。
ゲーム内の経験値でのレベルアップもありますが、それ以上にプレイヤーである自分自身の上達がわかるのもこのゲームの良さです。私もはじめは嘘をついているキャラがわかった瞬間、疑いはじめて逆に吊される、なんてことをやっていたのですが、繰り返していく中で自分なりの勝ち方が見つかってくる。
逆にいける! と思っても負けたときなどはなぜ負けたのか、などを考えて解決策が見つかることも。NPCごとの個性もわかってきて、この振る舞いからすると、おそらく敵だな、なんて推測もできるようになってきます。
アドベンチャーゲームとしての『グノーシア』
個性的なキャラクター14人とコミュニケーションにより、物語が進んでいきます。しかし、クセが強く、言動やビジュアルからなんとなく拒否感を持ってしまうキャラもいます。しかし、そのキャラを知っていくなかでおそらくそういった気持ちもなくなっていくと思います。
むしろ、もっとあなたのことを知りたい……! となるはず! もちろん人によりますし、私個人としては肩に猫を乗せているキャラや困ったら全力で土下座するキャラとかはちょっと……と正直思っています。
また、ループについての謎がちょっとずつ解けていくのですが、誰が謎の鍵を握っているのかがわからないため、このキャラと人狼パートを生き残ってみよう、といった面白さもあります。
プレイして気になった点
すごく睡眠不足になる
1ゲームが10分から15分程度で終わるのですが、テンポが良すぎてやめどきを失います。
経験値が入ってレベルが上げられるからもう一回! あの人のこと、もっと知りたいからもう一回! 襲撃されたから今度は人間の敵になってもう一回! ……とドハマリしやすいです。
人狼シミュレーターとしても、アドベンチャーゲームとしても非常に優れていることもあり、気がつけばこんな時間? なんてことが何度も起きてきます。
一気にクリアするゲームでは無いと思うのですが、ついついプレイし続けてしまう。こちらの管理人の赤雪すずみさんは徹夜してしまったとか…… それぐらいの中毒性は確かにあります。
今買うならNintendo Switch版
Nintendo Switch版は「バックログ機能」が追加され、Vita版よりも遊びやすくなっているそうです。また、以下の対談記事によると細かな修正が100以上行われているので、どちらでもプレイできる環境の人はNintendo Switch版の方がオススメです。
人狼系ADV『グノーシア』『レイジングループ』開発者座談会。人狼の「グロさ」から、魂のこもった傑作2本が生まれた(ネタバレなし)
踏ん切りがつかない方は、赤雪さんのグノーシア紹介記事がもうちょっと踏み込みつつネタバレを回避した内容になっています。
個人的にはもっともっと多くの人にプレイしてほしいので、同じ開発会社の『メゾン・ド・魔王』のように他のハードでもできるようにSteamやiOS&Androidに移植してほしいなあと思っています。レイジングループはまさにそんな感じなので・・・