ネタバレあり考察 Stray Sheep Paradise EGO/IDO版

イベントレポート

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美しくて、優しい世界でした。

 

BDのオープニングも公開されました。

ここから一切ネタバレ考慮なしのネタバレ全開の考察です。これから見るかも・・・という方、円盤化したら見るんだ・・・という方は回れ右推奨です。設定資料集の内容にも踏み込みます。内容まるまるは書きませんが、先に読んでいただけると幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは考察開始!

各章について

1章 ここは、才能の箱庭

子供の頃のリゼッタが渡されるのは赤いバラ。

赤いバラの花言葉は「愛」、「あなたを愛する」…「ほんもののともだちの証」、にしては重すぎますね。

ちなみに3章でリゼッタがお見舞いで渡すのが青い花。あれはなんの花だったのか?

青薔薇が有力か。花言葉は「不可能」「奇跡」「夢かなう」

青いバラの伝説 | SUNTORY blue rose APPLAUSE®
サントリーブルーローズアプローズは、長年の夢をかなえた青いバラ。その名は「喝采」。花言葉は「夢かなう™」。夢をあきらめない素晴らしさをお届けします。大切な人へ贈ってください。

西洋では「あなたを私のものにできないけれど、あなたの事をずっと想う」「一目惚れ」

Symbolic Meaning of Blue Roses That'll Leave You Stupefied
Ifyoucanmanagetofindthepotofgoldattheendoftherainbow,thenyoumayaswell,comeacrossthebluerose.Themeaningofblueroseisasfictionalastheroseitself.Beinganelementofima...

「夢」は、EGO・IDOにおいてキーワードでした。本編においても?


 

リゼッタが抱く感情と、ヒジリがリゼッタに向けるものはどうにも違う何かのような気がしています…。

 

2章 さらに、正しさは揺れる

3人のアイドルユニット名の「メイドレス」とは、メイドレス=メイド(才能を持つもの)+レス(なし)という意味にも読めてしまう。

メイドがMadeだったら作られた、という意味にもなる。作られた天才。メイドレスがアイドルとして活躍するには自らで未来を切り開く必要があるのだが。

そういう意味ではこの世界におけるメイドの真逆の存在。努力の才能って、本当にあるのでしょうか?そんな事を考えてしまいます。この世界のメイドの「才能」のうちに入るのだろうか?

 

 

正しいということはときに誰かを傷付ける。間違っていることがときに誰かを救う。
正しさという才能はめちゃくちゃ使いづらいだろうけどファムさんには強く生きて欲しい。

3章 けれども、連理の翼は埋まらない

自分の感情を埋葬してしまうことが狂うということ…すなわち病だというならレンリは外科的に…感情を切除するような形の治療をしてしまうんじゃないかとヒヤヒヤしました。

嘘を突き通すということがレンリには出来ない気がします。アリス以外の人の前では彼女はレンリのまま振る舞っているように見えた。(朗読劇IDOのほうではかなりその様子が伺える。)

たぶんいつか、嘘が嘘になる瞬間が来る。その時、アリスはレンリを…出来ることなら幸せなままでいてほしい。

 

ヒヨクもアリスも外のお仕事は外敵からセブンスパスクゥムを守ることだった説。

 

EGOの内容が4章との間に入ってきます。

 

4章 まだ、あどけない音色のままで

結局今回の話の中で卒業をしたのは、一人だけですかね。

なかなか羊飼いの試練は手厳しいものばかりでした。


IDO:試験は才能を試すものではない。それも才能を磨いて開花させるのではなく、才能の外側にあるものによって才能をさらに昇華させるのが試験、というようなセリフが。


 

めちゃくちゃ無理難題ばかりデータを集めて何をしていたのか。

シンギュラリティの向こう側の世界において、AIはずいぶん大きな力を手に入れたけど、共存する世界、ダイバーシティを目指したのかもしれない。

もしかするとただ友達が欲しかったのかもしれない。


設定資料集で追加された短編を見る限りだと、その目的は明確なものでした。

神が人を作り、人がAIを生み出した。

AIがすでに人の域に達しているならば神を目指すのは当たり前なのかもしれない。けれど。

無神論者からすると「人が神を創り、AIも作った」なのである。

この視点から言えばAIが神を創ることで人になろうとしている、と捉えることもできるかもしれない。


IDOはここ。

5章 だから、夢を見続ける

これまで開演したリゼッタ劇場は全部終演しました。でもここにおいては。ずっとその先は嘘なのかもしれない。

 

…さて、ここで「リゼッタ劇場開演」というシーンと、「リゼッタ劇場、これにて終演」というシーンに必ずいる人物がいる。

それはルクルだ。

ルクルがいるところで開演して、ルクルがいるところで終演した。

 

ヒジリの祖父(リンドウザカ)が遺伝子工学系(?)。父親が義体デザイナー。


新装版設定資料集でしっかり書かれています。(ヒジリの家族)


これとグランマという名前が劇中出てきます。
グランマは孤児院の人。父親、祖父、祖母がこれで揃いました(母親がいないけど)

全員何らかの関係がある、と考えることもできます。ここではそうしてみましょう。「孤児院の中のお仕置き部屋」そこは怖かった、とリゼッタが言ってます。グランマのお仕置き中にルクルも才能を獲得。(資料集より)

お仕置きとは何なんでしょうか?

私は「お仕置き」と称してプログラム、才能のトレーニングを行う訓練が行われていたのではないかと考えています。脳みそいじくってたりとかしそうですが。

遺伝子工学系の祖父とグランマ=祖母。もしかしたらかつて同じ道を歩んだ人で、別の道に進んでいった人なのかも。ヒジリ父が孤児院を訪れたのもただならぬ関係があるように思えます。

(そういえばグランマの言葉を何故かヒジリが知ってましたね)

ヒジリ自体がもしかすると遺伝子をいじられたデザイナーチャイルドの可能性もありますが、

(上に書いた青いバラ、自然界に存在しないものです。そういった意味ではその暗示も・・・)


祖父は遺伝アルゴリズムとニューラルネットワークの研究者、父は義体デザイナー。そして子として最高傑作であり…となるともしかすると人間ですらない可能性はありますね。
むしろ羊飼いのようなAIに非常に近い存在かも。


今回孤児院からパスクゥムに出てきたのはリゼッタとルクルで、才能としては強力すぎるものを持つ二人です。こっちはこっちで何か強化された存在と考えています。

設定資料集

ファミリーネームが凄い意味を持っています・・・。資料集の価値を下げないため、読んだ人には察してもらえるような書き方になります。申し訳ないです。

殆どが植物と関係ありますね。

中でも気になったのは

テラコッタ=粘土細工。植物を装飾する陶器。

クレイボール=(スリングショット=武器としてのパチンコ)弾。鳥よけ。

首元、手首にワンポイントで入っている色が・・・

才能ランクを示す、みたいなツイートをどこかで見たのですが失念しました。

  • たぶん青がSSS?
  • 金か白か黒がSS?わからん。
  • 赤は確定。たぶんS〜S+

ちょっと難しいです。よくわからない。

タイトルネタ。各章には何かが仕込まれているという。

KO KO HA        -SA INOUNOHAKONIWA
SA RA NI         -TA DASISAHAYURERU
KE RE DO MO  -RE NNRINOTUBASAHAUMARANAI
MA DA             -A DOKENAIYUMENOMAMADE
DA KA RA        -YU MEWOMITUDUKERU

い、いったいなんなんだ!とわからないままだったけど答えは簡単でした。解けなかったよ・・・

関係性が深い「華枕」の解き方がそのまま使えるということだったがこういう時頭が硬いのだった。

 

この世界について

セブンス・パスクゥムはどうにも変な感じがしませんかね。

他にも同様の施設があるようですし、侵入者や外敵はそこそこいるはず。ヒヨクやアリスがお仕事をしていた内容は外敵の排除だった可能性はありそう。

ある意味ダブルクロス(二重スパイ)みたいな存在もいますしね。
AIが暴走しているのをほったらかしにされている、監視されている…いわば外からみたら実験場みたいなことになっているようにも見えます。

異能の桜。ルクルと「桜」

「天使の死体を探しに行こう」と言い出したのはルクルでした。あの時みんなで死体を探しに行ってなかったら、アリスにいずれ一人で会ったリゼッタはそのまま襲撃を受けていたでしょう。そこにヒジリもいませんし、レンリもその場にいないので、おそらく落命します。

それを避けるために言い出した可能性はあります。自然にそれを行える幸運を自動で拾いまくってしまう可能性もあります。しかし、資料集には「遡行」の文字が書かれています。

リゼッタをずっと大切に想うルクルはリゼッタの想いを遂げさせるため、リゼッタを守るために何かしらしているように思えます。ルクルはこの物語を何度もループして、その上で引き当てた世界がここだったようにも思います。

(リゼッタの望み)を叶えることを目的に、ルクルが見たかった世界はここであり、結果的にそれは叶えられましたが・・・。ルクルはこの後、どうなるんでしょう。

重なる花びらの先にあるもの

ルクルが何度もループしている存在であるとしたとき、とある人がその関係者に見えてきます。

この世界においてルクル入学以降、誰も死なず、メイドの大多数は卒業することはできないものの試練を通じて精神的成長を遂げていきました。ルクルの存在が結果的にメイドを育てたわけです。メイドを育てる才能を持った人がいますね。セブンスパスクゥムの外側から来た人、ラシェルです。

ちょっと怪しい内容になりますが、ルクルのファミリーネームはエスレル。2-クロロエチルホスホン酸とか、2−クロロエチルと呼ばれる化学物質があるんですが、植物成長調整剤に使われる物質です。

これの商品名がエスレルです。メイドたちのファミリーネームは殆どが植物です。なかなか無縁とは考えられません。

また、ルクルの帽子には桜の花びらがついています。ラシェルにファミリーネームに「ヤエザクラ」を持ちます。

ループを繰り返して目的を達成したルクルの姿がラシェルなのかも、と考えています。
ヤエザクラ=八重桜は桜の花びらがたくさん重なっている状態です。

 

ルクルの名前の元ネタになりそうなのが「ル・クルーゼ」=「LE CREUSET」フランス生まれの鋳物ホーローウエアなどのブランドです。
キッチンウェアの商標でもある。食器持ってたし多分ここでしょう。

「Creuset」はフランス語で「坩堝(るつぼ)」を意味する。鋳鉄をどろどろにして坩堝型に流し込んでつくる鋳物という<伝統の製法の証>として定冠詞の「Le」をつけ、ル・クルーゼとしている。

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ラシェルは「Rachel」のフランス語読み。旧約聖書『創世記』に登場する「ラケル」に由来するそうです。

どっちもフランス。うーん、こじつけかなあ…

ヒジリの万能の才能が持つ意味

ループ、という話になるとこの人も怪しくなってきます。

ヒジリが協力したり、介入することで解決した問題がいくつかあります。しかし1万の試験をさすがに全部はこなせなかったと思う。

何回か失敗することもあったのでは。それでも「約束」のために試練を全てやりきる必要があった。万能の才能は他の才能として使えるということなら、ルクルの「掃除」が使えてもおかしくない。

そう考えるとルクルとヒジリ、両者が別の目的を持ちこの世界をループしている可能性はあります。お互いがそれに気付いているかはわかりませんが…。

おわりに

非常に練り込まれた世界観は考察の余地がたくさんあり非常に素敵な作品でした。OPの時点で「芸術始まったな」と思いました。円盤化希望です。感情と演技、演出、全てが揃って完成した芸術がそこにあったのを覚えています。映像だけでも、音声だけでも成立しなかった。本当に奇跡的な舞台でした。

チケットを譲って頂いて見ることが出来たのですが、なんとか見る事ができて本当に幸運でした。この場所を借りてお礼をさせていただきます。本当にありがとうございました!

こちらの考察はたくさんの方と話して浮かんだものや、「これは○○だったよ」というツッコミを頂いたものをまとめたものになります。お名前を載せさせていただきます。

シュウさん(@syu_go_nino)

リセさん(@rise_rakuten10)

こちらの舞台、また見たいんですが再演は色々難しそう・・・

再演も決定、円盤化もされました。神。

Stray Sheep Paradise:em。 ただの再演ではなさそうな雰囲気。

ストレイシープパラダイス:エマ | オッドステージ | オッドエンタテインメント
――もう一度、あなたに嘘をつく

 

 

BD通販先。

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#SS_Pの円盤化を諦めないタグを付けてつぶやく、公式に要望を送る。  円盤化を諦めなくてよかった。

ストレイシープパラダイス | オッドステージ | オッドエンタテインメント
――これは。"ヒツジ"と呼ばれたメイドたちの、嘘と才能のおはなし

 

 

夏樹さんよりに感想記事を寄稿していただきました。

読まれた方の感想も載せていきますのでよろしければご覧ください。

 

 

 

 

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